野鳥によるレンコン食害
レンコン農家の悩みは、野鳥によるレンコン食害
日本一のレンコン生産地・茨城県。そのシェアは、国内生産の約50%を占めます。生産の中心となる霞ケ浦(琵琶湖に次いで日本で2番目に大きい湖沼)周辺には、一面のレンコン畑が広がります。
レンコン農家の悩みは、霞ケ浦に生息するカモやオオバンなどの野鳥によるレンコン食害です。
茨城県内の野生鳥獣による農作物被害状況
茨城県農林水産部農村計画課が発表した野生鳥獣による農作物被害状況は、以下の通り。
- 令和3年度の茨城県内の野生鳥獣による農作物被害額は被害額は令約4億円。
- 被害額の約75%がカモ類、バン類によるレンコン食害で、被害金額は年間3億円以上。
- 被害地域は霞ケ浦周辺のレンコン栽培地域に集中。
野鳥による食害被害はレンコン農家の死活問題
野生鳥獣による農作物被害額の、実に3/4が野鳥によるレンコン食害であるという現状は、農業王国 茨城県にとって非常に頭の痛い問題です。 大消費地に近く、広い湖沼に臨む恵まれた環境で発展してきた茨城県のレンコン栽培ですが、野鳥が多く飛来する豊かな自然環境であるために、その食害被害に悩まされているのです。
他県のデータですが、野鳥のレンコン食害による減収率は15%というデータがあります※1.。
また、上の被害額には含まれませんが、レンコン苗植え付け後の新芽等への食害は、その後の生育に重大な影響を及ぼします。
野鳥によるレンコン食害は、レンコン農家にとっては死活問題なのです。
1.「マガモ・カルガモの生態とレンコン田における食害被害危険予測」 徳島県立農林水産総合技術支援センター高度技術支援課(2020年)